バンブー教室:バンブーだより3月号 学園長ブログ~可能性のとびら~-3(2)
2026年4月3日
決して、授業中全く関係のないことを考えているわけではないのです。ですが、このような特性から授業内容が理解できなかったり、先生から質問されてもわからなかったりすることが立て続けに起こると、自分は他の生徒と比べて勉強ができないとあきらめて投げやりになってしまうのではないでしょうか。
学習に対する無気力は、以上のような理由から起こるケースが多いのです。発達障害傾向の子どもたちは、このような状況が継続すれば複雑性PTSDの症状が発症しやすく、情緒が不安定になりがちです。これは、不登校の理由となる内訳の2番目に割合が多い「不安・抑うつの相談があった」に関係してくる項目です。そうだとすると決して怠惰で学校の授業を不真面目に取り組んでいたり、授業をさぼったりしている訳ではないのです。
近年は、「発達障害グレーゾーン」「発達障害もどき」「境界線知能」という内容を扱った書物が出版され、このような聞きなれない言葉が世の中に認知されていくにしたがい、発達障害があり特別支援教育を必要としている子どもたちだけではなく、通常級に在籍していて発達障害の診断が出ていないものの、発達障害における特性に極めて近いつまずきがある子どもたちや、知的障害というまでではないものの知能的に境界域であるようなグレーゾーンの子どもたちが注目されています。
私は「グレーゾーン」「境界線知能」だから勉強に遅れがあるのではないと考えています。LD(学習障害)傾向やADHD傾向のお子様には、凸凹が大きいもののIQ値は、平均であるIQ100をはるかに上回る子どもたちが多くいるからです。どちらかといえば、その凸凹が起因して起こる様々な困難さにより、学習に意欲がそがれてしまっていることが大きな要因であると考えています。現在、学力不振で悩んでいる子どもたちの多くは学ぶことを放棄してしまった子どもたちで、むしろ学力不振の原因は「学習的無気力」にあるように思います。
発達障害の子どもたちの場合は、その学習を負荷なく、楽しく学習するには彼らのワーキングメモリのつまずきを把握し理解したうえで、彼らが学習しやすい環境や勉強の仕方を提示しなければなりません。彼らが負担にならないような課題や学習環境を提示してこそ継続して勉強に取り組んでもらえるようになるのです。
そしてその結果、短期記憶が長期記憶に移行され、学習で身に付けた知識の幅が広がっていきます。できたことをほめて認めてあげれば自分に自信が持てるようになります。だれもが褒められることを嫌うお子様はいないと思います。
彼らは、今まで自分では一生懸命やっているつもりでも、出来ないことや間違えることが多いことに対して怒られたり馬鹿にされたり蔑まされたり、健常のお子様が経験したことのない思いをずっと重ねている子どもたちなのです。だからこそ、できた課題を褒めてあげ、自分でもできることを実感させてあげることが一番有効な学力向上の近道です。そこから実感する「できた」は学習意欲に繋がります。学習意欲は凸凹の高い能力に働きかけ、できないことを手助けし能力全体を押し上げることに結び付きます。





